北海道森町で開かれた子ども向けゴーカート体験イベントで、小学高学年の児童が運転するカートが見物スペースに突っ込み、函館市の吉田成那(せな)さん(当時2)が死亡した事故から18日で2年がたつ。両親が現在の心境や捜査に望むことなどについて朝日新聞に書面で寄せた。
「事故から今日まで、家族で平穏な日常を送ることを意識して日々を過ごしてきました。乗り越えなくてはならない感情、ぶつけようのない気持ちがあふれては静めることを繰り返し、周囲の方々に支えられながら何とか過ごしてこられました。2年が経過しても『悲しみ』という根本的な感情は変わることなく存在していますが、これからも家族で手を取り合ってお互いが心穏やかに人生を歩んでいけるように努力していきたいです」
「人生がいつ終わるかわからないということをひしと感じるようになりましたので、今まで以上に家族で笑い合えることが大切になり、感謝してすごしています」
道警は今年2月、イベントを主催した函館市の自動車販売会社の社員と、委託を受けてコースを運営した千歳市のモータースポーツ施設運営会社の役員を業務上過失致死傷容疑で書類送検。2人に対し、検察に起訴を求める「厳重処分」の意見を付け、函館地検が捜査を続けている。
「息子が事故に巻き込まれずにすむにはどうするべきだったのか、解明してほしい。このイベントを企画運営する際に、どこにもしくは誰に事故を防ぐ責任があり、なぜこのようなずさんな運営になっていたのか。責任をとるべき人にはきっちりと罪を償ってほしい」
両親は、子どもがもつ探究心や好奇心を大切にして子育てをしてきた。事故の2週間前、初めて家族で旅行をした。
「満面の笑みで楽しんでいる…