2024年4月29日、サウジアラビアのリヤドで会談したブリンケン米国務長官(左)とサウジのムハンマド皇太子=ロイター
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 米国とサウジアラビアが防衛協定などの合意に向けて詰めの調整を続けている。バイデン米政権がセットで実現を目指すのが、イスラエルとサウジの関係正常化だ。パレスチナ自治区ガザの戦闘停止と戦後統治を見据え、実現すれば中東の秩序を塗り替える取引だが、イスラエルのネタニヤフ政権にとって難しい条件がついている。

  • サウジが必要なストーリーとは イスラエルとの関係正常化の行方

 サウジ国営通信によると、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が19日にサウジを訪れてムハンマド皇太子と会談した。「サウジと米国のほぼ最終形の戦略合意について議論した」と報じた。米ホワイトハウスによると、この後にイスラエルを訪れたサリバン氏はネタニヤフ首相らに会談の内容を伝えたという。

 「戦略合意」のメニューには、米国とサウジの安全保障協力の締結や、サウジへの民生用の原子力発電所の建設支援などがあるとされる。こうして米国がサウジの要望にこたえる見返りに、サウジはイスラエルの存在を認めて関係を正常化する、というのがバイデン政権の構想だ。

米大統領選にらんだ思惑も

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