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健大高崎―横浜 試合後、決勝進出を決め、アルプス席へ駆け出す横浜の選手たち=新井義顕撮影

(30日、第97回選抜高校野球大会決勝)

 春夏5度の甲子園優勝経験を誇る横浜(神奈川)はここ10年、思うような結果を残せていなかった。

 松坂大輔らを育てた渡辺元智・元監督が2015年に勇退。以降、個々の能力は高くても甲子園8強に届かず、19年秋には前監督が暴力などの不祥事を理由に退任していた。

 翌春に再建を託されたのが、卒業生の村田浩明監督(38)。選手層が厚くない神奈川の公立校を率いていた監督は、特定の選手に頼らないチーム作りをめざした。

 現チームは敗戦のショックを引きずりながら始まった。昨夏の神奈川大会決勝、ライバルの東海大相模に逆転負け。慶応に敗れた一昨年に続き、あと一歩で甲子園切符を逃した。

 直後、北海道で新チーム最初の合宿が行われた。格下に練習試合で敗れ、村田監督は宿舎にいた選手たちに告げた。「ランニングに行くぞ」

 きつい走り込みを覚悟してい…

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