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 海水温の上昇などによってサンゴが白くなり、長引くと死んでしまう「白化」。大規模な白化からの回復が、天然のサンゴ礁より消波ブロックなどの人工構造物についたものの方が早いことを、港湾空港技術研究所などのチームが明らかにした。堤防など既存の設備の一工夫が、サンゴの再生に役立つかもしれない。

写真・図版
消波ブロックに生息するサンゴ=港湾空港技術研究所提供

 チームは沖縄県の那覇港にある三つの防波堤の消波ブロックなどの人工構造物と、その周辺の天然のサンゴ礁について、1989~2018年度にかけて、29年分の分布データを解析した。

 付近の海域では1998年に大規模な白化が発生。2001年に海底面に占めるサンゴの割合が天然のサンゴ礁では5.2%、04年に5.6%だったのに対し、消波ブロックでは01年に8.8%、04年に25.4%と急速な回復を見せた。その後も高い割合を維持した。

人工構造物と天然サンゴ礁ではサンゴの構成に違い

 消波ブロックで白化後急速に…

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