放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は、サンテレビ(神戸市)がニュース番組で放送したふるさと納税をめぐる調査報道について、審理に入ると公表した。決定は16日付。
BPOによると、サンテレビは2023年9月26日と27日に放送した報道情報番組「キャッチ+」のなかで、兵庫県の自治体がふるさと納税PR事業のために出店したアンテナショップで、自治体の元課長が現職時代に不正行為を働いたという内容のニュースを放送した。アンテナショップ元店長らの内部告発などをもとに、元課長が代金を支払わずに商品を飲食していたり、知人に公金で高級牛肉などを贈るよう指示したりしたと報じたという。この元課長が「放送内容は虚偽であり名誉を毀損(きそん)された」としてBPOに申し立てたという。
サンテレビは「元課長は電話取材に対し全てを否定したが、発言に具体的根拠はなく、元店長らの証言や伝票のコピーなどの物証からみて、放送内容は真実であり、少なくとも真実であると信じるに足る相当の理由がある」と主張しているという。同局は朝日新聞の取材には「当社といたしましては、真実に基づいた報道であると考えておりますが、申し立てを真摯(しんし)に受け止め、誠意をもって対応してまいります」とコメントした。