シェアハウスの市場が拡大している。一つの賃貸住宅に複数の人が暮らすスタイルが人気を集める背景の一つは、都市部における家賃の高騰だ。ホテル料金の値上がりもあって、訪日外国人の宿泊先としての利用も広がっている。「狭い、汚い」という従来のイメージを覆す、最新のシェアハウス事情とは。
家賃8万6千円~、ホテルを改築
JR浅草橋駅(東京都台東区)から徒歩5分の場所にあるビル。元々はホテルだったが、コロナ禍を機に2021年秋、2~4階部分がシェアハウスに改築された。現在、日本人と外国人の男女18人が一緒に住む。いずれも20~30代だ。
賃料は水道光熱費込みで8万6千円から。トイレやシャワールーム、キッチンは共用で、約4.5~7畳の鍵付きの個室がある。入居の条件は「交流意欲」。日本人と外国人、男女の比率は半々になるように運営しているという。ダイニングテーブルやソファがある共用リビングでは、日本語と英語が飛び交い、毎週のように「たこ焼きパーティー」などが開かれる。
住人の一人で、会社員の小林正弥さん(24)は金沢市内の大学を卒業後、上京した。当初は単身向けの賃貸を探していたが、10万円ほどの家賃に加え、初期費用が30万~50万円かかることが判明。「大学を出てすぐで、貯金もなく無理だった」。最終的にシェアハウスにたどりついた。「国際交流ができて、英語の勉強にもなる」と気に入っているという。
23区の単身物件、とまらぬ家賃上昇
シェアハウスの魅力の一つは、アパートやマンションに比べて割安な家賃だ。
不動産情報サービスのアット…