縄文時代の土面(中央)と、石などでつくられたアクセサリー(手前)。「もののけ姫」の作中では、サンがタタラ場を襲う時に土の面をつけている=2025年4月25日、福岡県大野城市曙町3丁目

 スタジオジブリのアニメ映画「もののけ姫」(宮崎駿監督)を題材に、地域の歴史を読み解く企画展が福岡県内のミュージアムで開かれている。この作品を数百回は見たという職員のあふれんばかりの熱意を、著作権を守りながら形にしている。

 「タタリ神だ!」「ホウ 雅(みやび)な椀(わん)だな」「あの子を解き放て!」

 会場に入ると、作中のせりふを印字したパネルが並ぶ。大野城心のふるさと館(同県大野城市)の春季特別展「映画もののけ姫から学ぶ考古学」。展示品の解説には映画を漫画のように構成したフィルムコミックの画像も添えられている。ただし、チラシには「※タイトルに(株)スタジオジブリの映画『もののけ姫』を使用していますが、本特別展は著作権法の範囲内で開催するものです」の表記が。「もちろん、ジブリには直接、あいさつにうかがいました」と企画した同館職員の上田龍児さん(46)。協力までは得られなかったが、ジブリの権利を侵害しない形で開催できることになった。

■東北系土器、アシタカに重ねた

 1997年公開の映画の舞台…

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