シベリア抑留を経験したそれぞれの曽祖父が残した手記を持つ千葉県立木更津高校の鈴木勇翔さん(左)と東琴子さん=2025年8月8日午前10時46分、同県木更津市の同校、伊藤未来撮影

 旧ソ連によるシベリア抑留を経験し、77年前の同時期に極東のナホトカにいた2人の男性。一方は帰国し、一方は留め置かれることになった。この夏、2人の男性のそれぞれひ孫にあたる高校生が、残された手記をもとに当時の歴史をひもといた。この研究成果が、全国高校社会科学・郷土研究発表大会の歴史・考古部門で最優秀賞を受賞した。

 研究を手がけたのは、いずれも千葉県立木更津高校2年の東琴子さんと鈴木勇翔さん。東さんの曽祖父の間義雄さん(2000年没)は4冊計146ページの手記を、鈴木さんの曽祖父の鈴木隆さん(1993年没)は16ページの手記をそれぞれ残していた。

 昨夏の同校の課題で、東さんと鈴木さんは曽祖父の手記をもとにシベリア抑留についてそれぞれリポートを書いた。それに気づいた同校の社会科の松井昂教諭が、面識がなかった2人を引き合わせ、共同研究を提案した。

 残された手記を読み解くと、義雄さんと隆さんは同時期にナホトカにいたことがわかった。だが、その後の足跡は異なる。

帰還はそれぞれ3年後と11年後 その理由は…

シベリア抑留を経験した曽祖父がいる同じ高校のひ孫同士が、残された手記を頼りに曽祖父の歩みをたどりました。記事の後半では、宗教行事などをする地域住民らの「講集団」を研究した高校生も紹介します。

 「1948年3月日本帰還命…

共有
Exit mobile version