2024年11月14日、ドイツ連邦議会の委員会に出席するドイツのショルツ首相。独DPA通信提供=AP

 ドイツのショルツ首相は15日、ロシアのプーチン大統領と電話で協議した。両者の電話協議は、ロシアがウクライナに全面侵攻した後の2022年12月以来、約2年ぶり。独政府によると、ショルツ氏は、ウクライナからの軍隊の撤退を要求し、公正で永続的な和平を目指してウクライナと交渉するように促した。

 ショルツ氏は事前にウクライナのゼレンスキー大統領と協議してから臨んだ。ショルツ氏は電話協議でロシアのウクライナ侵攻を非難し、プーチン氏に戦争をやめるように求めた。独メディアによると、協議は約1時間に及んだ。

 独政府関係者によると、ショルツ氏はロシアへの北朝鮮兵の派遣についても言及し、「紛争の深刻な激化と拡大を伴う」と指摘した。ウクライナの民間施設に対するロシアの空爆についても非難した。両首脳は今後も連絡を取り続けることで合意したという。

 ロシアの全面侵攻を受けるウクライナへの二国間の支援額では、ドイツは米国に次いで2番目に多い。ショルツ氏は、必要な限りウクライナへの支援を続ける姿勢も強調した。

 一方、ロシア大統領府によると、プーチン氏は受け入れられる終結の形について、「ロシアの安全保障分野における利益を考慮し、新たな領土の現実にもとづき、最も重要なのは紛争の根本原因を取り除くことだ」と主張。ウクライナの「併合4州」から同軍の完全撤退などを求める姿勢を、改めて強調した。(フランクフルト=寺西和男)

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