サウジアラビアのリヤドで2025年5月14日、会談したトランプ米大統領(右)とシリア暫定政権のシャラア大統領。サウジ王室提供=AP

 トランプ米大統領は6月30日、米国がシリアに科していた制裁のほとんどを解除するよう命じる大統領令に署名した。長年の内戦で荒廃した同国の再建に弾みをつけるとともに、欧米やイスラエルとの関係改善に道を開くものになりそうだ。

 大統領令は、シリアに対する1979年以来の「テロ支援国家」指定の見直しや、暫定政権のシャラア大統領が率いていた過激派組織シャーム解放機構(HTS)の「外国テロ組織」リストからの削除、シリア政府と取引する外国企業にも強い制裁をかける「シーザー法」の停止などの検討を国務長官らに指示するもので、40年来の対シリア政策を大きく転換する内容になっている。

 トランプ氏は5月にサウジアラビアを訪問した際、シャラア氏と会談し、制裁解除の方針を打ち出した。その際、見返りとして、イスラエルとの関係を正常化する「アブラハム合意」にシリアも参加するよう要請していた。

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