アハマド・シャラア氏=2024年12月28日、ダマスカス、AP

 シリア国営通信は29日、アサド前政権を崩壊させた暫定政権を主導する過激派組織「シャーム解放機構」(HTS)の指導者アハマド・シャラア氏が、暫定政権の大統領に就任したと報じた。シャラア氏は前政権を打倒して以来、外国政府の高官らと会談を重ねるなど事実上の指導者として振る舞ってきたが、正式に新体制のリーダーとして地位を固めた形だ。

 同通信によると、新憲法が施行されるまでの暫定的な立法機関を設立する権限がシャラア氏に与えられる。前政権下の憲法の停止や、人民議会(国会)や軍、治安機関の解散も発表された。暫定政権が新たな軍や治安機関を発足させるという。

 国内で割拠する武装組織の統合も改めて表明された。だが、北部では暫定政権に近いトルコが支援する武装勢力シリア国民軍(SNA)と、米国の支援を受けるクルド人主体の武装勢力シリア民主軍(SDF)の衝突が続いており、統合が順調に進むかどうかは依然として不透明だ。

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