2025年7月15日、シリア南部スウェイダに展開する暫定政権側の治安部隊のメンバーら=ロイター

 シリア南部スウェイダ県でイスラム教の少数派ドルーズ派の武装勢力とスンニ派のベドウィン(遊牧民)のトラブルに端を発する大規模衝突があり、在英NGOシリア人権監視団(SOHR)は16日、248人が死亡したと発表した。シリアでは昨年12月にアサド政権が崩壊して以後、異なる民族や宗派間での争いが相次ぎ、隣国イスラエルが空爆で介入するなど事態が複雑化している。

 SOHRによると、ドルーズ派とベドウィンの間のトラブルをきっかけに、13日から衝突が発生。一連の戦闘で、スウェイダ県の住民71人、鎮圧に向かった暫定政権軍や治安機関のほかベドウィンなど156人が死亡した。さらに暫定政権側の勢力により21人の民間人が処刑されたとしている。

 この事態を受け、イスラエル軍は14日と15日に現場に向かう暫定政権軍の戦車などを空爆したと発表した。ネタニヤフ首相とカッツ国防相は15日、「シリアの暫定政権がドルーズ派の市民に危害を加えることを防ぐための措置だ」とする声明を出した。

 スウェイダ県はドルーズ派が…

共有
Exit mobile version