シリアの首都ダマスカスで2025年3月6日、通りに配備された暫定政権の治安部隊=AP

 シリア国営通信は6日、同国の暫定政権の治安部隊が、西部ラタキア郊外でアサド前政権を支持する武装勢力から攻撃を受け、衝突に発展したと報じた。在英NGOのシリア人権監視団(SOHR)によると147人が死亡したといい、SOHRは「アサド政権が崩壊して以来、新政権に対する最も暴力的な攻撃」と指摘した。

 SOHRによると、衝突によって暫定政権側で37人、武装勢力側で34人が死亡したほか、民間人7人も犠牲になった。また、暫定政権の治安部隊の戦闘員が現場周辺で、少数派のイスラム教アラウィ派の人々69人を「処刑」したとも報告した。

 昨年12月にアサド政権が崩壊したシリアでは、過激派組織シャーム解放機構(HTS)が主導する暫定政権が国民の融和を掲げ、治安の安定化を急ぐ一方、アサド前政権を支持する武装勢力との間で断続的に衝突が生じている。

 地中海沿岸部に位置するラタキアは、アサド前政権が支持層としていたアラウィ派が多く住み、同政権の権力の基盤となっていた。

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