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 シリアのアサド政権を打倒した反体制派は10日、暫定政権による初の閣議を開いた。暫定政権の首相には反体制派の中核の過激派組織「シャーム解放委員会」(HTS)系の指導者ムハンマド・バシル氏が指名され、HTSが新体制の構築を主導する流れが鮮明になっている。一枚岩ではない反体制派をまとめ、安定的な組織運営を行えるかが焦点となる。

 反体制派から首相に指名されたバシル氏は10日、テレビ演説で、来年3月1日まで暫定政権を率いると明らかにした。中東の衛星放送局アルジャジーラによると、1983年生まれでエンジニア出身のバシル氏は、HTSが拠点とする北西部イドリブの統治機構「シリア救済政府」のトップを務めていた。この機構はHTSの強い影響下にあるとされ、他の暫定政権の閣僚も、シリア救済政府のメンバーが引き継ぐことになるという。

 HTSは米国や国連などからテロ組織に指定されているが、米NBCニュースは10日、米国が指定の解除を検討していると報じた。カービー米広報補佐官(国家安全保障担当)は同日、記者団に「現時点でHTSについての政策変更は議論されていないが、彼らがすることを注視している」と語った。

 ブリンケン米国務長官は10…

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