「テックハウス」の地下で投資家の話を聞く日本人起業家たち。この日はゲームサービスについての話をしていた=2025年3月7日、サンフランシスコ、五十嵐大介撮影

■米に挑む日本人起業家 3

 サンフランシスコの日本人街近くの住宅街。裏庭付きの建物の地下で、10人ほどの若い起業家たちが車座になって投資家の話を聞いていた。

 ここは通称「テックハウス」。日本人起業家8人ほどが共同で暮らす。寝室には2段ベッドが並び、広いリビングは共同の作業スペースとなっている。

 人工知能(AI)を使った3Dゲーム開発ツールを手がける「アセットハブ」創業者の後藤卓哉(30)は、2年前にテックハウスに来た。

 日本で別のスタートアップ「ガウディ」を創業し、35億円を調達。「どうせやるなら世界で一番新しいものを作って広めたい」と思い、米国市場に飛び込んだ。たどりついたのがテックハウスだった。「現地での人脈づくりなど様々な助言を受けている」と話す。

 テックハウスで長年、中心的役割を果たしてきたのが、自らも連続起業家の小林清剛(43)だ。

「テックハウス」のリビングに立つ小林清剛。妻と2人の子どもも同じ建物で暮らす=サンフランシスコ、五十嵐大介撮影

 小林は昨年、シリコンバレーを中心に、ロサンゼルスやニューヨークなど米国に住む80人近い日本人起業家が参加するグループを作った。スラック上でビザの取り方や生活の立ち上げ方、投資家の探し方などの情報を日々共有するほか、定期的にリアルのイベントも開く。女性も2割ほどいるという。

■「日本人でつるむとかっこ悪…

共有
Exit mobile version