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中学校の入試会場で、受験生(左)を送り出す保護者=2021年、さいたま市、藤原伸雄撮影
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 東京都千代田区の越境入学不正が世間の耳目を集めています。子どもを良い学校に入れたい――。子どもの教育をめぐっては、いつの時代も、競争の過熱が問題になります。シンガポールなどの教育競争に詳しい東大多様性包摂共創センターDEI共創推進戦略室の中野円佳(まどか)准教授に各国と日本の状況について聞きました。

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構造的な「いたちごっこ」

 ――日本以外の受験競争は、どのような状況なのでしょうか。

 人生に影響する選抜試験をどの段階で受けるかは、国の教育システムに左右されます。シンガポール国民の多くは公立小学校に通い、小学6年生でPSLE(小学校卒業試験)を受けます。その結果次第で、進学コースが決まるので、小学生時代に競争が激しくなります。米国や韓国の競争は大学受験に集中していると言われ、そうすると、幼い頃からマラソンのような競争になります。

 日本では、局所的に中学受験…

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