【連載】データでみる男女平等の現在地 第1回:日本
連載「データでみる男女平等の現在地」一覧
毎年発表されるジェンダーギャップ指数は、日本の順位の低さが話題になります。この結果をどう見たら良いのか。他国の例もみながら、指数を多面的に分析しました。
世界経済フォーラム(WEF)がまとめた2025年版「ジェンダーギャップ報告書」で、日本は148カ国中で118位(前年比同)となった。男女平等の達成に向けて、多くの国から後れをとっているという評価だ。なぜこのような順位になったのか、公開された指標を詳しくみていこう。
報告書で示されるジェンダーギャップ指数は、国ごとの男女平等に向けた達成度をWEFが設けた項目で数値化したものだ。男女が完全に平等な状態になれば、達成率は100%となる。
今年のトップは16年連続でアイスランドで、達成率は92.6%だった。一方で、日本の達成率は66.6%にとどまり、主要7カ国(G7)のなかでも唯一、上位100カ国に入ることができなかった。
「政治」「経済」の分野で低評価
報告書はジェンダーギャップを「経済」「教育」「健康」「政治」の4分野に分けて評価している。このうち、日本の順位を下げている要因は「政治」と「経済」の二つだ。
分野ごとに日本の達成率をみていくと、「教育」と「健康」では世界平均を上回っているが、「政治」の分野で下位に沈んでいることがわかる。また、「経済」では世界平均と並んでいるが、先進国からは後れをとっている。
過去19年間、日本は改善のスピードが遅い
日本の課題は、20年近くにわたって達成率がほぼ伸びていない点だ。
ジェンダーギャップ報告書の…