歴史の表舞台に居並ぶのは男性ばかり。それは「時代のせいだから仕方がない」ことなのでしょうか? 「どの時代にも女性はいた」。そんな問題意識から、歴史から排除されがちだった人々の存在に光を当てた博物館が台湾にあります。入社1年目の女性記者(24)が現地を訪ねました。
「おおっ、ぜんぶ女性だ!」。2月9日、台湾歴史博物館(台南市)の常設展示のなかに、特に目を引く一角があった。白衣を着た医師、スーツにネクタイを締めた革命家、看護師、画家……。立ち並ぶ等身大人形はほとんどが女性だ。
「日本(の植民地)時代に様々な分野で活躍した台湾の女性たちです」と担当職員が解説する。
日本が植民地支配していた1895~1945年の台湾では、日本の同化政策の一環として女子教育が普及した側面があった。また労働力確保の狙いもあって社会で女性が活動の幅を広げた。初の女性医師が誕生したのもこの頃だという。
女性の存在を表現しようと力を入れた展示の一つで、館内全体に目を向けると常設展示の人形約170体のうち5割が女性だ。
「歴史のスポットライトを女性に」
ただし、展示で強調したいのは、一時代の女性を前面に押し出すことではない、という。
「どの時代、どんなテーマの…