朝日新聞の取材に応じたアイスランドのハトラ・トーマスドッティル大統領=2025年5月12日、レイキャビクの大統領公邸、藤原学思撮影

 北欧アイスランドで、同国史上2人目の女性大統領を務めるハトラ・トーマスドッティル氏(56)が12日、首都レイキャビクの大統領公邸で朝日新聞の取材に応じた。

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 同国は、世界経済フォーラム(WEF)が男女格差の状況をまとめる「ジェンダーギャップ報告書」で2009年から15回連続トップの「ジェンダー平等最先進国」。一方、昨年の日本は146カ国中118位だった。

 トーマスドッティル氏は日本について、「アイスランドの歴史から得られる三つのアイデアがある」という。

 一つは、1983年にできた女性だけの政党。政治家が女性議員の重要性について考える「圧力」になったという。もう一つは男女の割合を一定以上にする「クオータ制」。アイスランドでは一部の政党が自主的に導入しているほか、中規模以上の企業の取締役会については法律で義務づけられている。

 3点目として、経済界や政界、学術界や市民社会を含め、すべての領域で「一致団結した取り組み」を始めることが挙げられるという。そのためには、男性側の意識の変化も重要になる。

 「私が歴史から学んだところでは、日本は何かを本気で考え、『質』を重んじて取り組めば、成功する国です。ジェンダー平等について本気で考えられるなら、日本の未来は非常に明るいものになるのではないでしょうか」

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