ジェームス三木さん=2000年

 NHKの大河ドラマ「独眼竜政宗」など数々のヒットドラマを手がけた脚本家のジェームス三木さんが91歳で亡くなった。代表作に主演した俳優も死を悼んだ。

 「独眼竜政宗」(1987年)では、渡辺謙さんが主人公の戦国武将・伊達政宗を演じた。歴代大河ドラマ最高の期間平均視聴率39・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)と大ヒット、世界のケン・ワタナベの出世作だ。渡辺さんは、X(旧ツイッター)に、「戦国時代のホームドラマを、と家族親族の機微を描いた壮大な大河ドラマでした」などとするコメントを投稿。「『謙君、これを機に僕が新しい芸名を付けてあげるよ』と笑って仰(おっしゃ)って下さった事を懐かしく、思い出しました」とつづった。

 「独眼竜政宗」で政宗の父・輝宗を演じた北大路欣也さんも、所属事務所を通じてコメントを発表。三木さんが手がけた舞台「愛と修羅」(90年)では、北大路さんが主役の伊達政宗を演じた。「大河ドラマでは勇愛溢(あふ)れる輝宗役に挑戦させていただき、また舞台では憧れの政宗役を演じることができ、私の夢を叶(かな)えてくださいました。想い出に胸がいっぱいです」

 85年のNHK連続テレビ小説「澪(みお)つくし」に主演し、最高視聴率55.3%を記録して全国のお茶の間に広く知られるようになったのは、デビューまもない沢口靖子さんだった。沢口さんはコメントを発表し、「澪つくし」について「私の原点です」とした。

 「ベテランの俳優さん達に囲まれて無我夢中の毎日」「関西弁のイントネーションが抜けず苦しんだ日々もあった」と振り返りながら、「撮影中に20歳の誕生日を迎え大勢の皆さんにお祝いして頂き、感激したことは今でも忘れられません」と懐かしんだ。

妻の山下直子さん「今後も作品を楽しんでほしい」

 打ち上げ会場では、三木さんから「やっと女優の卵からヒナが孵(かえ)ったところですよ」と声をかけられたという。「この世界の厳しさとエールの言葉を贈ってくださったジェームス三木先生の言葉を、今でもはっきり覚えています」とつづった。

 三木さんの妻・山下直子さんは、朝日新聞の取材に「長年仕事に携わることができたのは大きな喜びであったと思います」と語った。視聴者や関係者への感謝を述べ、「今後ともジェームス三木の作品をお楽しみいただけましたら幸いです」とした。

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