元スタジオジブリ美術監督が教える背景画講座会場の近くを流れる匹見川支流の広見川=2025年5月27日午後5時35分、島根県益田市匹見町匹見、高田純一撮影

 島根県益田市は、ふるさと納税の返礼品にスタジオジブリのアニメーション作品を手がけてきた美術監督が教える「背景美術の描き方」講座を加えた。講座は渓谷美で知られる同市匹見町で開かれる。市は寄付金収入とともに、受講者への市の魅力発信を狙う。

 講師はジブリ作品で美術監督を務めた吉田昇さんと渡辺洋一さん。吉田さんは松江市出身で、「千と千尋の神隠し」で美術監督補佐を担い、「コロの大さんぽ」「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」など数々のジブリ作品で美術監督を務めた。

 講座は益田市匹見町のキャンプ場「匹見峡レストパーク」であり、周辺の山や川などの自然を題材に、水彩で背景画の基本を学ぶ。9月27、28の両日、計4回開催し、1講座の受講者数は約15人。寄付額は10万円と4万円の2種類だ。4万円の寄付の場合、別途1万5千円の受講料が必要だという。

 講座を市に返礼品として提案したのは、同町でワサビを栽培する安藤達夫さん。「地域でアクションを起こしたかった。市外の人に自然豊かな匹見の魅力を発見してもらうための貴重な機会を設けたかった」

 返礼品に登録されたことを受けて5月27日、安藤さんや企画に携わったコンサルタント、スタジオジブリの執行役員らが市役所を訪問。山本浩章市長は「特産品のモノ消費だけでなく、体験してもらうコト消費は二重三重のメリットがある。益田の美しい自然を美術作品として描くのは、地元でもなかなかできない経験」と話した。

 寄付の申し込みは、ふるさと納税仲介サイトで受け付けている。

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