南太平洋に浮かぶパラオ共和国は、美しいサンゴ礁に囲まれた多くの島からなる。日中は晴天と急な激しい雨を繰り返し、夕方になると、水平線と立ち上る雲が鮮やかなオレンジに染まる。暑いときの気温は30度ほどだったが、厳しい日差しや高い湿度のため、外ではとめどなく汗が流れる。

 太平洋戦争の激戦地となったこの国のペリリュー島で昨年、旧日本兵の集団埋葬地が見つかった。福岡資麿厚生労働相が5日、現地を視察。この訪問を同行取材した記者は、戦後80年たってなお戦闘の爪痕を残す島の姿を目の当たりにした。

 ペリリュー島までは、パラオ本島から南へスピードボートで1時間ほど。島の北部に、波止場がある。マリンスポーツや戦跡地をまわる観光ツアーが組まれているが、人の姿はそれほど多くない。新型コロナウイルスの感染拡大の後、直行便が再開されていないこともあり、日本人観光客は減ったという。

【動画】ペリリュー島の集団埋葬地を訪問した福岡資麿厚労相=足立菜摘撮影

 島は南北約9キロの細長い形…

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