ノルディックスキー・世界選手権がノルウェー・トロンヘイムで26日(現地時間)、開幕する。注目は、北京五輪のジャンプ男子個人ノーマルヒルで金メダルを獲得した小林陵侑(チームROY)。調子は上向きで、自身初の世界選手権制覇を狙う。
- 小林陵侑、選手生命を賭けた挑戦 「世界最長」291mに込めた思い
小林は2度のワールドカップ(W杯)総合優勝、3度のジャンプ週間総合優勝は達成しているものの、世界選手権は前回大会のラージヒル2位が最高成績。「めちゃめちゃメダル争いを期待されているわけじゃないと思う。気持ち的には一番楽かもしれない」と話す。
1月には欧州でのW杯転戦を一時控え、スキー板や靴などを自らに合うよう見直した。飛び出す際の体の重心のかけ方も改善。2月16日まで行われたW杯札幌大会2連戦で今季初勝利からの連勝を飾り、ようやく世界のトップ争いに戻ってきた。
世界選手権への準備は念入りに進めてきた。大会直前、他の日本代表がプラニツァ(スロベニア)で練習を組んだが、小林は長野・白馬で数日間、単独で合宿した。腰を据えてトレーニングできる環境を求め、関係者によると、「万全で臨むため」だという。
今季のW杯総合順位は上位3人をオーストリア勢が占めているが、札幌での2連戦では1人しか表彰台に上がれなかった。小林は「切羽詰まった気持ちで臨んでくる選手もいると思う」と警戒する。トロンヘイムでは昨季W杯で1勝し、特有の風は把握している。「不安定で、板や体に感じる風圧が弱い」。細心の注意を払って臨む。
ジャンプ男子の本戦はノーマルヒルが3月2日、ラージヒルが同8日に行われる。