デビュー35周年を迎えた「東京スカパラダイスオーケストラ(スカパラ)」が、ますます元気だ。習志野高(千葉)や片倉高(東京)など、高校吹奏楽部との共演でも知られる9人組のバンドは、今夏も、音楽フェスに、ライブに引っ張りだこだ。吹奏楽部出身のすご腕金管コンビ、北原雅彦さん(62、トロンボーン)とNARGOさん(56、トランペット)に、楽器との出会いや音楽の楽しさを語ってもらった。
- 中学・高校に最も選ばれた吹奏楽曲は 昨年のコンクール800校集計
トランペット貯金で
NARGO 僕は、10歳で生涯の友だち、トランペットと出会いました。ある日、小学校の音楽の授業で、先生がたくさん楽器を並べて「好きな楽器をいじってみなさい」と。キラキラしてかっこいい、トランペットのところに走りました。吹いてみたらすぐ音が出た。先生に褒められたのがうれしくて、ジュースの瓶に小銭をためる「トランペット貯金」にお年玉を足して、1年後に楽器を買いました。毎日磨いて、眺めて。吹くのと同じくらい、見るのが好きでした。楽器自体が好きなんですね。マイルス・デイビスのレコードを買い、それをお手本に、自己流で練習を始めました。
北原 なんというませたガキ! 僕の場合、父親が音楽好きで、家にトランペットやクラリネットがありました。その影響か、中学校で吹奏楽部に入りました。最初はコルネットでしたが、中2で、顧問の先生に言われるがまま、先輩の卒業で足りなくなったトロンボーンに転向しました。トロンボーンは吹奏楽であんまりメロディーを吹く楽器じゃないけど、「オブラディ・オブラダ」で、ちょっとしたメロディーや対旋律を吹くのが、すごく楽しかったのを覚えています。中3で、自分の楽器を父に買ってもらい、高校でも吹奏楽部に入りました。
何か起こりそうな予感
NARGO 僕、吹奏楽部は高校3年間だけなんです。好きな曲を楽しく演奏しましょうっていう先生だったので、コンクールには出たことがなくて。個人的には出てみたかったですけど。
北原 高校では、神奈川県吹…