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試合終了後にミーティングを開く水戸三の選手ら=2025年7月7日、笠間市民、後藤隆之撮影
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 (7日、第107回全国高校野球選手権茨城大会1回戦、牛久19―2水戸三=7回コールド)

 1年生が躍動し、スコアボードに得点を刻んだ。

 4点リードされた四回裏、水戸三の柴田優太監督は「流れがきている」と選手に声をかけた。

 敵失で無死一塁。5番打者の小圷(こあくつ)琉翔(りゅうと)(1年)は低めの直球を引っ張り、右前安打を放ち「やっぱり流れがきている。ここから逆転するぞ」。

 死球を挟んで1死満塁。8番打者の永山遼(1年)は「まず1点」。狙っていた初球の直球を振り抜き、左翼への2点適時打とした。「みんながつないでくれた」

 昨年5月に野球部が発足し、昨夏は連合チームで挑んだが、0―23で五回コールド負けだった。

 野球部専用の練習スペースはなく、平日はグラウンドの空いた場所で練習。週に1回、他校のグラウンドを借りて打撃や守備の練習をするなど、工夫を重ねてきた。

 今春、小圷や永山遼ら野球経験者が入学し、部員は1~2年生14人に。創部2年目で、初めて単独出場にこぎ着けた。

 この日、先発した小圷が「先輩がいるから安心して投げられた」と話せば、継投した永山遼も「学年に関係なく、みんなで戦った」と語る。

 主将の永山奏汰(2年)は「九回までやりたかった。ただ。1年生に助けられ感謝です」と強調した。

 試合は2―19で七回コールド負け。柴田監督は選手たちに「次はもう始まっている。ここからが本当の戦いだ」。選手全員、声を張り上げた。「しゃー」。新たなスタートを切った。

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