獰猛(どうもう)なスズメバチと見まがうようなハチが、実は刺さないハチだった――。栃木県立博物館の学芸員が、宇都宮市で2021年に見つけたハチが新種だと分かった。7月には、和名が「シモツケヒラアシキバチ」と名付けられる予定だ。この事実を紹介したSNSの表示数が200万件に迫る勢いで、関係者を驚かせている。
新種のハチは、博物館でカミキリムシなどの昆虫を研究する栗原隆・学芸員が見つけた。3年前の6月、昆虫の生息状況などの調査で、宇都宮市の中心部近くの雑木林を調べていたところ、イタヤカエデなどの木の幹に産卵するハチを見つけ、採集したのだという。
博物館に戻り、図鑑で調べたが、どの種類か分からなかった。そのため、ハチに詳しい片山栄助・元栃木県農業大学校主任教授に相談。片山氏から国立科学博物館の篠原明彦名誉研究員(昆虫分類学)に標本が送られ、新種だと判明した。
■体長や生態は……
シモツケヒラアシキバチの体…