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「フォールガイ」の主人公コルト(ライアン・ゴズリング) (C)2024 UNIVERSAL STUDIOS. ALL Rights Reserved.

 「ハリウッド映画のスタントのギャラは週40万~50万円で、正直、日本とケタが一つ違う。『フォールガイ』の撮影は5カ月続いたから、十分な額になります。スタントマンの仕事がそれだけ認められているということ。二次使用権も持つことが出来、ヒットするとまたお金が入ってきます」

 16日公開の米映画「フォールガイ」で格闘シーンのスタントを担当した浅谷康さんにインタビューしました。1978年生まれの45歳。美容師からダンサーに転じ、オーストラリアで活動していたとき米の大作ドラマ「ザ・パシフィック」のエキストラに参加したことからその身体能力を買われスタントマンの道へ。ヒュー・ジャックマン主演「ウルヴァリン:SAMURAI」(2013年)からスタント一本に絞り、オーストラリアに拠点を移して参加したメル・ギブソン監督の戦争映画「ハクソー・リッジ」(16年)では、スタント界のアカデミー賞と呼ばれる「トーラス・ワールド・スタント・アワード」に輝きました。米艦の砲撃を受け火だるまになって吹っ飛ぶ日本兵を演じたそうです。日本でも戦隊ヒーロー物などに参加したことがありますが、現在は「仕事の9割がハリウッド系」とのことです。

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デビッド・リーチ監督(左)とスタントチームの浅谷康さん

 さてその「フォールガイ」。スタントマン出身のデビッド・リーチ監督(「ブレット・トレイン」など)が、ライアン・ゴズリング演じるツイてないスタントマンを主人公に、アクション映画撮影の裏側を痛快なサスペンスアクションとして描きます。

 私「スタントマンを主人公にスタントの世界を描くという本作のオファーが来た時のお気持ちは?」

 浅谷さん「僕で大丈夫かな?と思いました。スタントマンがすごいスタントをやってのけるという映画だから、世界中の同業者が見る。それで大したことなかったら……。重圧ですよ」

 最も重圧を感じたのはカース…

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