英国のスターマー首相が、昨年7月の就任以来最大の危機を迎えている。側近らのスキャンダルが相次ぎ、リーダーシップを問う声が大きい。支持率の劇的な回復も見込めず、党内からは来年5月の地方選をにらんだ「辞任」への言及も出始めた。
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スターマー氏は首相として、どの程度うまく仕事をしているか。
調査会社ユーガブが毎月実施している世論調査によると、今月8日時点では72%が「悪い」と答え、「良い」の18%を大幅に上回った。政権発足直後の昨年8月は43%対36%で大差ではなかった。
英国は昨年7月まで、保守党が14年間政権を握っていた。国の経済は停滞し、人びとの暮らしは厳しく、国民は労働党に「変化」を求めた。
だが、スターマー政権はその期待に応えられていない。ユーガブの今年8月の調査では、英国の現状について「良い」と答えた人は14%。「悪い」は82%だった。
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