打ち上げられたスペースXのロケット=同社の中継映像から

 イーロン・マスク氏が創業した米宇宙企業スペースXは27日、月や火星の探査を目指して開発中の史上最大のロケット「スーパーヘビー」と宇宙船「スターシップ」の打ち上げ試験を行った。切り離された宇宙船を宇宙空間に到達させることに成功したが、大気圏に戻る際に分解した。過去の打ち上げで使ったロケットのブースターを初めて再使用した。

 スターシップなどの無人飛行試験は今回で9回目。米中部時間27日午後6時半ごろ(日本時間28日午前8時半ごろ)、同社の拠点のテキサス州ボカチカの「スターベース」で打ち上げられた。民間ロケット開発の先頭を走る同社は、コスト抑制を念頭に、ロケットと宇宙船の両方の再使用などを目指して試験を重ねている。

 同社の中継映像によると、ロケットで打ち上げられた宇宙船は切り離され、約10分後に目標とする宇宙空間の高度まで到達。過去2回の打ち上げ試験でも途中で機体に問題が生じて空中で分解や爆発を起こしていたが、それよりも長く飛行した。ただ、宇宙船から燃料が漏れているとみられており、姿勢制御なども困難になっているとみられる。

 この無人飛行試験は2024年に4回実施したが、同社は今月、米連邦航空局(FAA)から年間25回に大幅に増やす許可を得た。創業者であり、米政府の歳出削減を進める政府効率化省(DOGE)を率いるマスク氏は、今後は本業に使う時間を増やす趣旨の発言をしていて、宇宙開発に向けた動きがさらに活発になるとみられている。

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