榊浩平さん=本人提供

 オーストラリア政府が、16歳未満のSNS利用を禁止する政策に乗り出しました。これまでもスマホの弊害は多くの専門家から指摘されてきましたが、どれだけ私たちの脳に悪影響を及ぼしているのか。「スマホはどこまで脳を壊すか」の著者で脳科学者の榊浩平さん(東北大助教)に改めて聞くと、その深刻さに驚愕(きょうがく)する一方、決して目を背けずに対処しなければならないことがわかりました。

 ――ぶっちゃけ、スマホの何が問題なのですか。

 「弊害はハード、ソフトの両方あります。ハードは、ブルーライトの影響で睡眠の質が低下することなど。ソフトの方は、多機能性と依存性です」

 「脳は、ひとつのことにしか集中できません。スマホには多くのアプリが入っていて、いろいろ切り替えますよね。これが脳にとって、とても健全な行動とはいえず、人間の集中力はすごく低下します。海外の調査によると、現代の人間の集中力を他の動物と比べると、金魚以下という結果が出ました」

 ――き、金魚! お猿さんとかじゃなくて金魚ですか。

 「そうです。お猿さんではなく金魚さんです。しかも、それ以下です」

 ――金魚を飼っていないので、その集中力がいかほどかわかりませんが、なぜそんなことになったのですか。

 「アプリが多機能なゆえに…

共有
Exit mobile version