1日付でKDDIの社長に就いた松田浩路(ひろみち)氏(53)が朝日新聞のインタビューに応じた。他社に先駆けて今月始めた人工衛星とスマートフォンの直接通信サービスについて、「社会課題を解決するためのサービスの開発につなげ、輸出をめざしたい」と海外展開にも意欲を示した。
- SMSの送受信、山でも海でも災害時でも スマホと衛星の通信開始
KDDIは今月10日、空さえ見えればどこでもauのスマホでSMS(ショートメッセージサービス)を送受信できるサービス「au Starlink Direct」を始めた。米スペースX社の衛星「スターリンク」を用いており、夏以降にはデータ通信も使えるようにする。NTTが2026年のHAPS(空飛ぶ基地局)の商用化を目指すなど、他社も非地上系の通信に取り組む中、一歩先んじた。
松田氏はHAPSについて技術的に実用化はまだ難しいとの認識を示し、自社の新サービスについて「何年後という構想ではなく、いままさに使える点が、お客様にとって大きい」と強調した。00年に衛星の国際ルールづくりに携わった経験も振り返り、そのルールのもとでサービスが実現したことについて「万感の思い」と語った。
新サービスは通信障害が起き…