（9日、第107回全国高校野球選手権大会1回戦 明豊6―2市船橋）
明豊のエース左腕、寺本はマウンドで意識していることがある。変化球を投げる時、直球と同じような腕の振りにすることだ。
味方が2点をリードした直後の三回、その思いが伝わってくる。1死後、川崎監督が試合前に警戒していた1番大木に対し、チェンジアップを続けて追い込むと、最後は内角への速球で見逃し三振。スムーズな腕の振りが光った。
明豊の5年連続出場は今大会の代表校では最長になる。ただ、過去2年は初戦敗退。川崎監督は昨夏も経験している寺本に先発を託した。
「経験が必要。ゴロアウト、フライアウトで打たせて取って、リズムを持ってきてくれれば」
三回から五回までは三者凡退。五回まで三塁を踏ませない、期待に応える投球だった。
