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福岡大会を観戦するスリランカの球児ら=2025年7月8日午後2時1分、久留米市野球場、山本達洋撮影

 スリランカの球児15人が8日、久留米市野球場で全国高校野球選手権福岡大会を観戦した。野球がマイナースポーツで、大きな球場で観戦する機会が少ないスリランカ。目の前で繰り広げられる熱戦に、8~13歳の15人は釘付けになっていた。

 2006年に来日し、15年春の選抜では外国人として初めて甲子園で審判を務めたスジーワ・ウィジャヤナーヤカさん(41)=大分県別府市=が招待し、実現した。15人はスリランカで同じチームに所属。9日まで約1週間の予定で来日中だ。

 観戦したのは、香住丘―福岡の2回戦。15人はスタンドに座るとスコアボードを指さして喜び、応援歌を大声で歌う生徒らを笑顔で眺めていた。投手や打者の一挙手一投足に「おーっ」と声を上げる場面も。ただ、試合は四回裏で中断。継続試合が決まった。ただ、人生初の高校野球観戦は良い思い出になったようだ。

 チームのキャプテンで投手のアショック・ウィタナゲさん(12)は「選手たちの動きが速くてびっくりした。投手もかっこよく、あんな風に投げられるよう練習したい」と興奮気味だった。捕手のユラン・ランミカさん(11)も「選手らが声を掛け合っていたのが印象的で、落ち込まないようにお互いを助けているんだなと思った。すごく勉強になった」と話した。

 「子どもの時に世界を見ておくことで、目標や夢が大きくなる」とスジーワさん。スリランカ野球の発展のみならず、若いうちから異文化に接することで世界平和にも貢献する人に育って欲しい。今回の来日が、その一助になると信じている。

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