第47回朝日アマチュア将棋名人戦全国大会の開幕を翌日に控えた7日、代表枠1人を選ぶ「将棋ウォーズ予選」が初めて行われた。将棋ウォーズはオンライン上の将棋道場で、その予選勝ち抜き者が歴史ある将棋大会に参加できる新しい試みだ。
将棋ウォーズ予選は、1月に1次予選、2月に2次予選があり、約2千人が参加。そこから勝ち残った4人が7日、東京都港区のホテルで準決勝と決勝を戦った。
対局者はスマートフォンを手に、ホテル内の会場に設けられた壇上で向かい合って対戦した。「持ち時間3分」「時間が切れたら負け」という超早指し戦で、朝日新聞のユーチューブチャンネル「囲碁将棋TV」で約900人が生の対戦を観戦した。
決勝戦は棋士養成機関「奨励会」元三段の古田龍生さん(28)と立命館大3回生の楠本一斗さん(21)のカードになった。
先手となった楠本さんが振り飛車を採用。互いに玉を穴熊に潜る「相穴熊戦」となったが、古田さんが中盤から優位に戦いを進めた。時間が切迫する中、一手の指し手にかける時間は1秒未満というスリリングな展開。しかし古田さんは最後までよどみのない攻めを見せて勝利した。
終局後、古田さんは「時間切れ負けだけをしないように勢いよく指しました」とホッとした表情。「ここまで来れると思っていなかったのでラッキーでした。明日からの大会を楽しみたい」と喜んだ。
楠本さんは朝日アマ将棋名人戦の関西ブロック予選で敗れていたため、将棋ウォーズ枠は敗者復活のつもりで臨んだという。学生強豪として知られるが、「相手が強かったです」と苦笑いした。
大会の会場には、将棋ウォーズを運営するHEROZの林隆弘・代表取締役CEOも訪れ、準決勝と決勝を見守った。
林CEO自身もアマ強豪。「将棋人口を最大化する」をミッションに掲げ、将棋ウォーズを中心に様々な挑戦をしてきた。
将棋ウォーズ予選を行った意義について、林さんは「参加者が大会に参加するハードルが下がることが大きい」と語った。
「会場に行く必要がなく気軽…