スーダンの首都ハルツームで2025年3月26日、準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)から奪還したばかりの大統領官邸前に姿を現した国軍のブルハン将軍(中央)=AP

 アフリカ北東部スーダンにおける国軍と反政府武装組織「即応支援部隊」(RSF)との紛争で、国軍を率いるブルハン将軍は26日、首都ハルツームが「解放された」と宣言した。地元メディア「スーダン・トリビューン」などが報じた。

 スーダンでは2023年4月、国軍とRSFの統合に向けた主導権争いなどをきっかけに、国内各地で武力衝突が始まった。この直後から、RSFが首都の主要な軍事拠点や政府関係施設、空港などを掌握。国連によると、RSFの戦闘員による住民の殺害や性暴力の被害も相次いだ。

 国軍は昨年10月ごろから首都周辺で攻勢を強め、RSFを後退させていった。民間の監視団体「スーダン戦争モニター」によると、激しい市街戦や空爆などの結果、首都の町は「廃虚」となっている。SNSには、破壊された大統領官邸や、兵舎となったハルツーム大学の映像が投稿された。

 国軍による首都の奪還は、約2年続く戦闘の大きな転換点となる。一方、西部のダルフールはRSFが支配しており、国軍が奪い返すめどは全く立っていない。家を追われた人々は1千万人を超え、15万人が死亡したとみられる紛争は、なおも出口が見えない。

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