5月30日は、日本の時計関係者にとって忘れられない日となった。セイコーがクレドールブランドに「ロコモティブ」というモデルを復活させたのだ。1979年に発売されたステンレス製の前作は、鬼才ジェラルド・ジェンタがデザインを手がけた、セイコーのフラッグシップだった。
ジェンタというデザイナーを、他のジャンルでたとえるなら、建築の世界を別次元に引き上げたル・コルビュジエだろうか。今でこそ高名なジェンタだが、79年当時は関係者以外には全く無名。しかしセイコーは、そんな彼に可能性を見いだしてデザインを依頼したのである。
限定300本、世界中で奪い合い
セイコーの目利きぶり、そして…