セブン&アイ・ホールディングス(HD)は6日、井阪隆一社長(67)が5月に退任し、後任に社外取締役のスティーブン・デイカス氏(64)が就く人事を発表した。成長分野の海外コンビニ事業を強化する狙いだ。カナダ企業から買収提案を受けるなか、単独経営の維持に向け、米国子会社を上場させるなどの企業価値向上策も示した。
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セブンの社長に外国人が就くのは初めて。デイカス氏はユニクロを展開するファーストリテイリングや米小売り大手ウォルマートなどを経て、2011~15年に西友の最高経営責任者(CEO)を務めた。22年にセブンの社外取締役となり、現在は取締役会議長も務める。日本語も堪能だ。
井阪氏は16年にセブンの社長に就き、23年に傘下の百貨店「そごう・西武」を売却するなど不採算事業の見直しに取り組んできた。このタイミングでの社長交代の理由について、会見で「国内の事業構造改革に一定の区切りがついた」と説明。人口減で国内市場は伸びが見込めないなか、成長が期待できるのが海外事業だとして、新たなリーダーには「日米欧のリテール事業の経験(を持つデイカス氏)が最適任と判断した」と語った。
デイカス氏も「北米には多く…