セブン&アイ・ホールディングスは10日夕、2024年8月中間決算の記者会見を開く。カナダの企業から受けている買収提案に対抗し、自ら企業価値を上げる構造改革案を示す予定だ。決算では頼みの綱となるコンビニ事業の不振が見込まれている。これらの諸課題について、井阪隆一社長は何を語るのか。決算会見の注目点を解説する。
大きなポイントの一つが、買収提案を受けてから初めて公式の場に出る井阪氏が、交渉状況やセブン側の考えについてどんな説明をするかだ。
セブンは今年7月に、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けた。セブンの発行済みの全株式を1株14.86ドルで買い取る内容だった。いまの為替レート(1ドル=149円)で換算すると総額で約6兆円となる。
これに対してセブンは9月上旬、「(セブンの)潜在的な株主価値の短中期的な実現について、著しく過小評価している」などと拒否する書簡を送り、公表した。
その後、クシュタールが買収額を2割増やして7兆円規模とする新たな提案をしたことが判明。この再提案をセブンがどう評価するのかが注目される。
セブンは書簡の中で、セブン…