青森県・三上綾子さん(78)からの質問

 ののちゃん あー、暑い! 夏といえばセミだけど、小さな体から、どうやってあんなに大きな声が出るのかな?

 藤原先生 それはセミのおなかの中に秘密がある。おなかの断面を想像してみて。中はほぼ空洞で、おなかから背中に向かってVの字みたいに「発音筋」という2本の太い筋肉がのびているんだ。さらに、その先には「発音膜」という膜がついている。発音筋が高速で伸び縮みすると、発音膜が振動して音が鳴るんだけど、おなかの空洞で音が増幅されるんだ。

 のの へぇ! 空洞で音を大きくするなんて、ギターみたい。でも、なぜ大きな声で鳴くのかな?

 先生 セミの声は、メスを呼び寄せるための「ラブソング」。だから、オスしか鳴かない。遠くにいるメスを呼ぶためにも、なるべく大きな声で鳴く。オスのおなかは空洞だけど、メスのおなかは卵がぎっしりつまっている。求愛の歌声でオスと結ばれたら、枯れ枝や木の皮に卵を産み付けるんだ。

 のの 「せみしぐれ」って言葉があるけど、オスが一斉に鳴くのは何でだろう。

ののちゃんは、朝日新聞に連載されている漫画の主人公で、小学3年生。学級担任の藤原先生を相手に、身の回りの不思議を質問します。聞いてほしい疑問はこちらへ。science@asahi.com

 先生 理由は二つある。一つ…

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