(12日、神奈川県高校野球春季大会3回戦 横浜11―0市ケ尾=五回コールド)
3月の選抜大会を制した横浜が、大会後初となる公式戦に臨んだ。
主将の阿部葉太が3安打6打点など打線を引っ張り、五回コールドで勝利。昨秋からの公式戦の連勝を「21」に伸ばした。
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ベンチ入りメンバー25人には、入学したばかりの1年生4人も名を連ねた。その一人が、右腕の福井那留(なる)だ。四回から3番手として登板した。
中学時代に15歳以下の日本代表で活躍したホープ。身長173センチの体をめいっぱい使い、最高球速は146キロを誇る。登板前、同じ愛知豊橋ボーイズ出身の阿部葉に「那留なら大丈夫」と声をかけられ、一層気合が入ったという。
力強い速球でテンポ良くカウントを稼ぐ。先頭を遊ゴロに仕留めると、後続は鋭いスライダーで連続の空振り三振に。1回3分の0を被安打2、無失点でまとめ、「すごい先輩たちがいる中で、最初は緊張しました。成長できる試合になりました」と初々しく語った。
この日は「6番・右翼手」で同じ1年生の川上慧も先発出場した。安打は出なかったが、こちらも15歳以下日本代表に選ばれた期待の選手だ。
村田浩明監督は「新たな選手が出てきてほしい」と発奮を促したつもりだ。効果はてきめんで、「『自分にもチャンス』があると、(練習拠点の)長浜グラウンドでものすごい競争が行われている」。
公式戦の連勝記録も懸かっているため、「勝利」と「育成」を両立させる戦いが続く。レギュラーと新戦力が高め合う「相乗効果」を期待しているという。