ウクライナのゼレンスキー大統領は27日午後、キーウ市内で国内外の報道陣向けに会見を開いた。始まって3週間となるロシア南西部クルスク州への越境作戦について「勝利に向けた計画の一つだ」と意義を強調した。
ゼレンスキー氏は「詳細は話さない」としつつ、計画全体のうちの4点を列挙。越境作戦の他は「世界の安全保障構造におけるウクライナの戦略的地位の確保」「外交を通じた一連の威圧」「経済」という。
計画の成否は米国にかかっているといい、バイデン大統領のほか、次期大統領候補のハリス副大統領、トランプ前大統領に9月にも詳細を説明する意向を明らかにした。
領土譲歩については、「いかなる交渉でも領土を変更することはありえない」と主張。一方で「仲間たち(欧米諸国)の支援次第なので、難しくもある」と認めた。
第2回サミットのロシア参加は?
それでもゼレンスキー氏は「我々を滅ぼすという使命を持ってここに来る連中と、妥協を模索する立場にはない」とも強調。ロシアのプーチン大統領との対話については「彼は外交的に戦争を終わらせたくないのだから、無意味で、空虚だ」と可能性を否定した。
ただ、ウクライナの和平について話し合う「平和サミット」の第2回会合については、「ロシアの代表団が参加したいなら、彼らはそこに来るだろう。すべての国が望んでいることだ」とした。
ウクライナにとって今後重要になるのは、自国内から、ロシア領内の軍事拠点を攻撃する能力だ。ただ、米国や英国、フランスから供与を受けた長距離ミサイルをめぐっては、ロシア領内への攻撃に使用する承認を待つ状態が続いている。
そんななか、ゼレンスキー氏は会見で、初めてとなる国産の弾道ミサイルの実験に成功したことを明らかにした。ただ、射程や性能は明らかになっていない。
ゼレンスキー氏の会見に先立…