2025年6月17日、カナダ・カナナスキスで開かれたG7首脳会議で、スターマー英首相(右)と話すウクライナのゼレンスキー大統領。代表撮影=AP

 ロシアによる大規模攻撃が続くなか、カナダで開かれている主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席したウクライナのゼレンスキー大統領は17日、停戦に向け、ロシアへの圧力を強めるよう米国不在の中で各国首脳に訴えた。前夜にはトランプ米大統領が急きょ帰国。ウクライナ支援をめぐり、米国と他の参加国との温度差が浮き彫りとなった。

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 少し気落ちした表情でウクライナのゼレンスキー大統領が会議の場に現れると、マクロン仏大統領や欧州連合(EU)のコスタ首脳会議常任議長が駆け寄り、ゼレンスキー氏の肩を力強くたたいて励ました。

 この日も首都キーウで15人が死亡する大規模攻撃を受けたウクライナにとって、今回のG7サミットは、ロシアとの停戦交渉の鍵を握る米国に、追加制裁などを通じてロシアへの圧力を強めるよう促す重要な舞台になるはずだった。

 しかしその期待を裏切るかのように、ゼレンスキー氏と入れ違いでトランプ米大統領が、会議初日に急きょ帰国。トランプ政権がウクライナ支援に関心を失いつつある現状が鮮明になった。

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