ソニーグループのCEO(最高経営責任者)が今年4月、7年ぶりに交代する。吉田憲一郎会長兼CEOが13日、CEOとしては最後となる会見に臨んだ。吉田氏は、子会社の社長から2013年にソニーに復帰し、経営戦略や財務担当の要職を歴任。一時は「どん底」にあったソニーの復活を支えた。

4月にCEO(最高経営責任者)を交代するソニーグループの吉田憲一郎会長(左)と十時裕樹社長=2025年2月13日、東京都港区、田中奏子撮影

 ソニーはこの日、東京都港区の本社で決算会見を開いた。いつもは四半期ごとの決算会見はオンラインで開いてきた。登壇した吉田氏は、「この場を借りてひと言ごあいさつができればと同席した」と話し出した。CEOとしての7年間での印象深い出来事として、経営方針に「感動」というキーワードを掲げたことを挙げ、「今後は私自身も社員とともに『感動』の原動力として、新しい経営チームを支えていきたい」と述べた。

 吉田氏は18年に社長兼CEOに就任し、20年からは会長も兼務。23年に社長は十時裕樹氏に交代していたが、今年4月にCEO職も譲り、会長職に専念する。

 同日、25年3月期の業績見通しを上方修正し、売上高が13兆2千億円、純利益は1兆800億円を見込む。会計基準の変更による修正を反映すれば、いずれも過去最高になる見通しだ。足元の株価も好調で、時価総額は日本企業としてはトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループに次ぐ3位につけている。

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