第107回全国高校野球選手権兵庫大会の開幕試合が7月5日、明石トーカロ球場である。
開幕試合で始球式の大役を務めるのは、須磨学園3年生の中谷ももこさん(17)。ソフトテニス部に所属し、昨年行われた第19回ジュニアジャパンカップのU17女子シングルスで優勝をするなど、世代を代表する選手だ。
中谷さんは兵庫県加古川市で生まれ、ソフトテニス一家で育った。祖父母が明石市でテニスショップを経営する影響もあり、3歳からラケットを握った。
二つ上の姉・さくらさん(明治大)は高校総体で優勝した経験があり、祖父も現役時代はトッププレーヤーだったという。身近にいるトップ選手の背中を追いかけながら、小学校、中学校と全国優勝も経験した。
コートを広く使うプレーが持ち味。「私にはスピードがない。だから頭脳勝負。コートを広く使って勝負する」と話す。須磨学園では、平日3時間半、土日に10時間近くの練習に励む。厳しい練習の中でも、遊び感覚を忘れずに、「相手がえっ!と思うようなプレーを意識している」という。
兵庫大会の始球式が決まったことを聞くと、「私が?とびっくりした」と語った。中谷さん自身も、夏に行われる高校総体では、個人と団体で優勝を目指している。
高校野球は「チームで一つの目標に向かう姿が熱い」。厳しい暑さの中で戦う高校球児に向けて、「大会の開幕を告げることができるのは光栄なこと。選手たちの後押しになるような、パワフルな投球をみせたい」と話した。