国際政治学者として「ソフトパワー」の概念を提唱し、米クリントン政権などで対日政策に携わったジョセフ・ナイ・ハーバード大特別功労名誉教授が6日、死去した。88歳だった。同大学が明らかにした。
クリントン政権時代に国家情報会議議長や国防次官補を歴任。1994年から95年にかけての国防次官補時代には、ナイ・イニシアチブと呼ばれた冷戦後の日米安保の再定義を主導。95年には、東アジアにおける米軍10万人体制の維持を強調した東アジア戦略報告(ナイ・リポート)をまとめ、96年の日米安保共同宣言や97年の日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)につながった。
その後もブッシュ(子)政権で国務副長官を務めたリチャード・アーミテージ氏とともに、「アーミテージ・ナイ・リポート」と呼ばれる超党派の対日政策提言を出すなど、米国の対日政策に深く関わってきた。アーミテージ氏も4月に死去したばかりだった。
ナイ氏は国際政治学者として…