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■山本教授と横路孝弘オーラルヒストリーを読む(上)

 衆議院が今年3月に公開した横路孝弘氏(1941~2023)のオーラルヒストリーから、2009年に実現した戦後政治史上2回目の「政権交代」の背後にあった北海道発の政治のうねりを、政治学者の山本健太郎氏とともに探っていく。(上)では、社会党衆院議員と北海道知事の時代(1969~1995年)の「ソ連嫌い」に焦点を当てる。

写真・図版
北海道知事に横路孝弘氏初当選。由美子夫人(右)と母親の美喜さん(左)とともに当選を喜ぶ横路氏=1983年4月11日、札幌市中央区

ソ連追従の万年野党への幻滅

 横路氏の「政権交代」をめざす政治活動は、社会党に対する幻滅に端を発したといえる。横路氏が1983年に知事に転じるまで属した社会党は万年野党で、国会議員の多くが、「議員になることを人生の最終目標にした『組合のいっちょ上がり』と相場がきまっていた」(前田和男「民主党政権への伏流」2010年)からだ。そんな社会党の基本姿勢はソ連追従。横路氏は不満だった。

横路「日本では、社会主義といえばソ連のことしか思い浮かばないわけでしょう。ヨーロッパでは社会民主主義なんですよ。ソ連というのは社会主義じゃなくて共産主義なんですよ」(上巻186ページ)

横路「まあ、それは元々、知事…

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