隣国カンボジアとの国境紛争を巡り、タイ国防省は23日、両国間の主要な国境検問所を閉鎖すると発表した。通学や通院などの例外を除き、通商目的を含む車や人の通行を禁じる。領土問題に端を発した両国の対立が、日系を含む企業の生産にも影響を及ぼしている。
- タイ・カンボジア国境で高まる緊張 世界遺産一帯巡って領有権争い
タイ東北部と、世界遺産の寺院があるカンボジア北部の一帯を巡り、両国は領有権争いを抱える。5月に同地域で両国軍の銃撃戦が起き、カンボジア兵1人が死亡したのを機に対立が再び過熱。カンボジアのフン・マネット首相は15日、衝突を国際司法裁判所(ICJ)に提訴したと明かしていた。
両国間で非難の応酬となり、検問所の開業時間短縮といった措置を互いに講じ合ってきた。タイは今回、両国間の検問所で人や車両の行き来を原則止めると発表。外国人を含む観光客や通商関係者に通行を控えるよう求めた。国境管理の強化が目的だとして、カンボジア軍の国境付近での活動に加え、コールセンター詐欺など犯罪行為の発生なども理由に挙げた。
「交通・貿易の要衝」も閉鎖
この問題を巡っては、タイの…