大衆魚として知られるスルメイカの高騰に拍車がかかっている。市場での取引価格は10年ほど前の3倍近くに上がり、天然マダイを追い抜いた。もはや高級魚となったイカの異変を受け、見た目や食感を再現した「そっくり食材」も生まれている。
東京都品川区の鮮魚店「魚河岸 中與商店武蔵小山店」の担当者は「スルメイカは高すぎて、今は仕入れていません」と話す。3月中旬に店に並んだ青森産のスルメイカ(解凍)の価格は数年前の5倍近い、1杯518円(税込み)だった。生のスルメイカは1杯で1千円を超え、高級イカの代表「ヤリイカ」よりも高い。
10年前は1キロ483円→今は1417円
焼きイカや天ぷら、煮物として人気の食材で、イワシなどと並び「大衆魚」の代表格だったが、鮮魚店の担当者は「スルメイカはもう大衆魚とは言えない」と断言する。
かつて年間数十万トンあった…