日本銀行の19日の記者会見で植田和男総裁にこんな質問を投げかけてみた。

 ――もし植田総裁がタイムマシンで(異次元緩和がスタートした)2013年4月に戻り、白紙から金融政策を決めるとしたら同じことを再びやりますか?

 あけすけには答えにくい質問だったに違いない。植田日銀は黒田東彦・前総裁が敷いた超緩和路線を基本的に引き継いできた。そうすることでアベノミクスを支持する自民党から国会での総裁・副総裁人事の同意をとりつけた経緯がある。

 それでも、植田総裁はこの日、この質問に「もちろん同じことをやります」とは答えなかった。それどころか遠回しながらもかなり否定的なニュアンスがにじむ答えが返ってきた。

記者会見する日銀の植田和男総裁=2024年12月19日、東京都中央区、杜宇萱撮影

 「申し上げられることは大規模緩和をやった場合、期待物価上昇率に与える効果は不確実で副作用もいろいろある。しかも現状まだ(2%物価目標の達成は)全部はできていないかもしれない。そういうことを認識しつつ決定していくことになります」

自画自賛ではないが「お手盛り」レビュー

 私がこんな質問をしたのは…

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