プレアビヒア寺院の境内に立つカンボジア軍人たち=2010年11月、カンボジア北部プレアビヒア

 タイとカンボジアの両政府は24日、両国の国境係争地付近で軍事衝突が発生したと発表した。タイ軍はカンボジア領内に空爆も実施。タイ保健省は、タイ側で少なくとも子どもを含む民間人11人が死亡し、タイ兵1人も死亡したと発表した。5月に起きた銃撃戦をきっかけに対立は過熱し、武力衝突へと発展した。

  • 【対立過熱の背景は】タイ国境の街、銃撃戦後も続く混乱「ナショナリズム利用し形勢を…」

 24日朝、両国が領有権を争う係争地域で銃撃戦が発生した。タイ軍は、カンボジア側が銃撃を始めたと主張。カンボジア側が現地に無人機を派遣して偵察を行い、重火器を所持した兵士を派遣したと主張している。一方のカンボジア国防相は、タイ側が領内に侵入し、先に攻撃したため、自衛の範囲で対処したと反論した。

 その後、両軍が複数の地域で、ロケット砲などで相手領内を攻撃し合う事態に発展した。カンボジアメディアは、タイ軍のF16戦闘機が係争地にある世界遺産「プレアビヒア寺院」周辺のカンボジア軍拠点を爆撃したと報じている。

 タイ側は自国民の被害を訴えて非難を強める。タイ軍の現地部隊はフェイスブックで、同国東北部シーサケート県のコンビニエンスストアが炎と黒煙を上げる様子の映像を公開。カンボジア側から自走多連装ロケット砲で放たれた砲弾が直撃したとした。

カンボジアとの外交「格下げ」表明

 タイ政府は声明で、病院を含…

共有
Exit mobile version